かまわぬのてぬぐいは、明治時代から続く染めの技法「注染(ちゅうせん)」を用いて作られています。そのため、その日の天候・気温・湿度などによって同じ染料でも仕上がりがわずかに異なります。私たちはそれを、てぬぐいの個性として捉え、手染めの証として大切にし、伝え続けていきたいと考えております。使うたびに手に馴染んでいく注染てぬぐいならではの味わいをお楽しみください。

 

生地

かまわぬのてぬぐい生地は「上総理」を使用しています。晒の総理とほぼ同じ規格ですが糸の本数を増やし、より肌触りのよい生地に仕上げています。吸水性がよく、長くお使いいただくうちに更に柔らかくなるのが特徴です。
また「季節の額装てぬぐいシリーズ」には「特岡」という種類の生地を使用しています。上総理と比較して生地目が細かいため、より繊細な染め上がりになります。

晒(さらし)の風合い

晒生地は糸が引っ張られた状態で織られています。使っていくうちに綿の繊維が元に戻ろうとするため、全体のサイズが短くなることもありますが、撚った糸が膨らんだ状態になり一層柔らかな手触りになります。
(写真は使用前後のてぬぐい10枚を重ねた状態です。)

切りっぱなしの理由

てぬぐいの両端は切りっぱなしになっています。縫い目がないので乾きが早く、汚れやホコリがたまらず衛生的で、高温多湿の日本の気候に適しています。使い始めはほつれていくため、よこ糸をハサミで切ってください。端から約5~10ミリのところで自然にほつれにくくなります。

色落ちについて

注染のてぬぐいは、柄を染めるために大量の染料を使用します。使い始めは余分な染料が洗う度に落ちますが、2~3度洗ううちに落ち着いてきます。その後も徐々に色は落ちますが、使い込むほどに良い風合いになっていきます。

洗濯について

洗剤の漂白効果で急激に色落ちすることがあります。漂白剤入洗剤、アルカリ性の強い洗剤を使用すると、生地が傷み破れることがあります。また、お湯を使うとてぬぐいが温まり、染料によっては、にじみが出てくることがあり色落ちに繋がります。お洗濯の際は、たっぷりの水で手洗いし、軽くシワを伸ばして直射日光を避けて干してください。また、濡れたままでの放置はおやめください。

染料の匂いについて

てぬぐいに使用している染料によっては、てぬぐいから独特なにおい(火薬や硫黄のようなにおい)がすることがあります。においは染料由来であることが多いため、何度か洗って風通しの良い日陰の場所で「風に当てながら干す」ことを繰り返すうちに軽減していきます。安心してお使いください。気になる場合は、お問い合わせください。

注染から生まれる「遊び」

手仕事の注染で作られるてぬぐいからは、さまざまな「遊び」が感じられます。染料や防染糊はその日の天候・気温・湿度の影響を受けやすく、色合いや柄の表情に違いがうまれやすいため、手染めならではの風合いが生まれます。日々移り変わる作り場の条件と、その中で最高の品質を目指す職人のたゆまぬ努力。人と自然の関係によって、てぬぐい一枚一枚に現れてくる注染ならではの遊び。それらを感じながら、愛情を持って日々ご使用いただくことで、世界にただひとつの、あなただけのてぬぐいへと変化していく愉しさがあります。

色落ち

経年変化前

色も柄も鮮明です。

経年変化後

色が落ちて使用感が出ています。

フリンジ

経年変化前

使い始めは、ほつれが都度でてきます。よこ糸をハサミでカットすればOKです。

経年変化後

端から約1cm~2cmのところで自然に止まった状態。フリンジができあがると「てぬぐい」は完成となります。

生地の風合い

経年変化前

使い始めは、上総理の生地ならではの少々肉厚でざっくりした手触り。

経年変化後

繊維がほぐれ、くたっとしたなめらかな手触りに。

染めが生み出す線の振幅

デザインの再現性の違い

柄を染めるために、防染糊(ぼうせんのり)と呼ばれる粘土と海藻を混ぜたペーストを使用します。この防染糊の品質は気温や湿度に大きく左右されるため職人が都度、糊のかたさを調整しています。糊付け後の自然条件の変化によって同じ柄でもわずかにデザインの表情が異なります。私たちはこれを「手作業の証」としてお伝えしております。

てぬぐい Q & A

こちらでは、てぬぐいについて寄せられる「よくあるご質問」を掲載しております。

私たちのてぬぐいは「注染」とよばれる染色技法を用いて染められたてぬぐいです。そのため、ひとつひとつ表情がわずかに異なります。私たちはそれをてぬぐいの個性として捉え、手染めの証として大切にし、伝え続けていきたいと考えております。生地と注染の特徴をご理解いただき、てぬぐいをお使い頂ければ幸いです。

てぬぐいの状態を確認してご購入されたいお客様は、ご足労いただきますが、かまわぬ直営店にて、お手元に取っていただきながら、是非お気に入りの1枚を見つけていただければ幸いです。商品の状態で著しく気になるものがございましたら、お手数ですが「お問合せフォーム」からお問合せください。

てぬぐいの生地について

かまわぬのてぬぐいは、小巾生地を使用しております。「小巾織機」と呼ばれる古くからある織機を使い、太めの糸を粗めに織ることで、経年変化により風合いがやわらかになる仕様となっています。

てぬぐいの生地は、天然素材の「綿」からできています。糸の太さや長さが均一な合成繊維とは異なり、綿から紡がれる糸は均一ではありません。そのため、糸と糸をつなぐ「つなぎ目」が生じます。これがネップ(糸の節)と呼ばれます。ネップは生地が織られる過程でできるもので、ご使用上の問題はございませんので生地の特徴としてお楽しみいただければ幸いです。生地自体に穴が開いていたり、生地全体に著しく見受けられる場合は、お問合せくださいませ。

注染のてぬぐいは、染めたあと水洗いをして基本的に天日干しで自然乾燥を行います。仕上げにローラーで生地を伸ばしますが、天日で干した生地の風合いを保つため、比較的やわらかいテンションで生地の負荷を低くしながら伸ばしていきます。そのため、稀にシワが目立つことがございますが、ご使用上問題ございませんので、安心してお使いください。ご贈答用などで気になる場合は、「お問合せフォーム」よりご相談ください。

てぬぐいの染めについて

出来る限り、実物通りの表現になるように努めておりますが、お使いのモニター設定・お部屋の明るさによっては実際の商品と色味が異なる場合がございます。

また私たちのてぬぐいは「注染(ちゅうせん)と呼ばれる明治から伝わる伝統的な染色技法を用いて染めているため、発色の厳密なコントロールが難しいことが現状です。染料は気温や湿度の影響を受けやすく、同じ色でも生産ロットや時期により、発色に多少のちがいが生じます。自然と対話し、職人が創り出すことによっててぬぐいに現れる“表情のちがい”をお楽しみいただければ幸いです。  

明らかにモニター画像と色が異なる場合は、大変お手数ですがお問合せフォームよりご連絡いただきますようお願い致します。

柄を染めるために、防染糊(ぼうせんのり)と呼ばれる粘土と海藻を混ぜたペーストを使用します。この防染糊の品質は気温や湿度に大きく左右されるため職人が都度、糊のかたさを調整しています。糊付け後の自然条件の変化によって「にじみ」や「かすれ」につながることがあります。手作業の証としてお楽しみください。

てぬぐいの長辺部分の両端「耳(ミミ)」は、生地の耐久性を高めるため本体部分よりも糸が織り込まれ、生地の密度が高くなっています。注染は生地を何重にも重ねてから染めの作業を行うため、防染糊が定着しづらく耳の部分が濃く染め上がったり、生地の密度が高いことで糸が染まりにくかったりする場合がございます。仕上がりが均一でないことがありますが、これは小巾生地の特徴としてご理解いただければ幸いです。

注染では、染める際に約24メートルの反物の生地を90㎝ごとに折り返して糊付けし、再び折り返し同様の作業を繰り返し、パターンをつけていきます。この折り返し部分のことを「折口(おりくち)」と呼びます。折口の部分は防染糊が入りにくかったり、糊が乾燥したりして、すき間に染料が伝って線のように染まることがあります。

気になる場合は、ハサミでカットしてご使用いただければ幸いです。