みなさん『かまわぬ手帖』へようこそ。
ここでは「てぬぐい」についての基本や豆知識など、てぬぐい使いがより楽しくなる情報を紹介いたします。また季節に関する読みものなど、暮らしに寄り添う情報をご案内してまいります。
毎月5日の更新です。
手帖のように、ふとした時に読み返してお楽しみください。
<てぬぐい いろは>はじめのお手入れ
こちらをご覧のみなさんは、すでにてぬぐいをお持ちの方も多くいらっしゃるかと思います。 ただ長年ご愛用いただいている方でも、てぬぐいについての疑問や取扱いに困ったことはありませんか?初回のテーマ『てぬぐい いろは』では、“てぬぐいの基本”について、ひも解いてまいります。
まず、ショップでお気に入りの手ぬぐいを手に入れたら最初にやって頂きたいこと。それは【水通し】です。
注染(ちゅうせん)のてぬぐいは色留め加工をしていないため、最初のうちは「色落ち」が起こります。また買ってきたばかりの手ぬぐいは、ローラーでプレスされてるため、ツヤと張りがあってきれいなのですが、風合いはちょっと硬め。そこで使う前の下ごしらえ【水通し】をしてみましょう。
【水通し】は洗剤やお湯は使わず、たっぷりの水で「手洗い」します。
買ってきたばかりの手ぬぐいには余分な染料や糊が残っていることがあるため、最初のうちは色が出てくることも。水に色が着くようだったら、落ち着くまで2~3回、水を変えながら「すすぎ洗い」をしましょう。
紺や赤など濃い色のてぬぐいを洗ったとき、たくさん色が出てきて驚かれたことがあるのではないでしょうか?これは色を濃くはっきりと染めるため、大量の染料を用いていることがひとつの要因です。余分な染料が生地に残っていることがありますので、念入りにすすぎ洗いをします。
また色の付いた水を使って他の手ぬぐいを洗うと、色移りすることがありますので要注意!色移りは「移染(いせん)」と言い、他の生地が染まってしまう現象です。使いはじめの数回は他のものと「分け洗い」をすることが、てぬぐいをながく使うコツです。
洗い終わったら水気をよく絞り、風通しの良い場所で【陰干し】をしましょう。お日様のもとで干すと、確かに乾きも早いですが「色あせ」の原因にもなります。濡れているうちにピン!と生地を伸ばすことで、乾いたときの「しわ」が目立たずきれいに仕上がります。
乾いたら【ほつれ】の始末をしましょう。長く出た糸だけを切っていきます。短いフリンジは残します。しばらくは糸のほつれがありますが、だいたい7~8㎜のところで止まります。使ううちに「フリンジ」部分の糸がほぐれ、糸の繊維同士がからまり始めると、長い糸が抜けにくくなり、ほつれが止まってきます。
江戸の頃、てぬぐいは「切り売り」されていたこともあり、今も端は切りっぱなしが基本です。高温多湿の日本では、乾きの早い手ぬぐいは重宝されてきました。
乾いたら、たたんで仕舞いましょう。お好みのカゴに入れたり、色や季節の柄で揃えてお楽しみください。また長期間しまう場合は「色焼け」を防ぐため、日光や照明の当たらない場所に保管するのがおすすめです。
洗わずにビニール袋などに入れて密封した状態で長期間保存すると、生地が劣化する場合もあります。永くお使いいただくため、ぜひ始めに【水通し】をお試しください。
第1回の「かまわぬ手帖」はいかがでしたか? より便利で楽しいてぬぐいライフをお送りいただけるよう、お手伝いをしてまいります。
次回更新は、5月5日(木)予定です。どうぞお楽しみに。