かまわぬ手帖 vol.23 |てぬぐいで、二十四節気 春・夏 編

かまわぬ手帖 vol.23 |てぬぐいで、二十四節気 春・夏 編

普段の生活に欠かせない暦。日常つかわれているカレンダーは太陽の動きを元にした「太陽暦」に基づいて作られました。1872年より使われるようになり「新暦」と呼ばれています。 太陽暦以前は「旧暦」と呼ばれる「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」が用いられてきました。陰とは月のことで、月と太陽の動きを両方取り入れた高度な暦です。日本には7世紀の飛鳥時代に中国から伝わり、季節の移り変わりを知るものとして取り入れられてきました。 今回は、二十四節気の春/夏をご案内してまいります。

 
日本のこよみ 春
  • 立春|2月4日ごろ
二十四節気では一年のはじまりです。「立春」とは、冬と春の分かれ目の日のこと。春風が吹いて雪解けの土の中から山菜が顔をのぞかせ、まだ寒い早春に梅は花を咲かせます。立春を過ぎて一番最初に吹く南寄りの強い風が「春一番」です。
 
#紅白梅

雨水 2月19日ごろ

雪が雨に変わり、雪解けがはじまるころ。暖かな雨で大地がうるおい、やわらぐ日差しのもと草木が芽吹き出します。冬の間に蓄えていた生命が外に現れる季節です。昔から農耕の準備をはじめる目安とされてきました。 おすすめの手ぬぐい ▶ 山菜づくし/おひな菓子/新芽小紋


#山菜づくし
  • 啓蟄 3月5日ごろ
大地があたたまり、陽気に誘われた土の中の虫たちが動きはじめる頃。
春雷がとどろき、冬眠中の動物たちも目を覚まします。桃のつぼみがほころび、花が咲きはじめます。万葉のころには花が咲くことを「花笑む(はなえむ)」と表現していました。
 
#野の花
  • 春分 3月20日ごろ 
太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。昼と夜の長さが等しくなり、春分を境に過ごしやすい季節になっていきます。桜が花が咲き始め、お花見も待ち遠しい頃です。
 #菜の花づくし
  • 清明 4月4日ごろ
全てのものが清らかで生き生きとるする頃。草花が咲き誇り、蝶が舞い、空が晴れ渡り、命が輝く季節がやってきます。江戸っ子の好物であった鰹は年に2回の旬があり、春は「初ガツオ」と呼ばれ親しまれてきました。

#青空つばめ
  • 穀雨 4月20日ごろ 
たくさんの穀物をうるおす雨がふるころ。あらゆる生き物の成長を助ける雨が降ります。八十八夜は、立春から数えて八十八日目の夜のことで、茶摘みや田植えをする時期です。八十八夜が過ぎると初夏がはじまります。 おすすめの手ぬぐい 
#筍ならべ

日本のこよみ 夏
ここから季節が夏に移り変わります。
  • 立夏 5月5日ごろ 
春分と夏至のちょうど間の日で、この頃から夏の気配を感じられるようになります。田んぼのカエルが鳴きはじめ、そよぐ風が心地よい五月晴れが続きます。
#カエル
 
  • 小満 5月21日ごろ
麦の穂が育ち、草木が実をつけはじめ、万物がしだいに満ちてくる頃です。太陽の光を浴びてすくすくと成長していきます。現在では6月1日に衣替えを行うことが一般的ですが、平安時代の宮中で旧暦の4月1日に装束の入れ替えをしていた風習の名残りです。
#新緑
  • 芒種 6月5日ごろ 
穂の出る植物の種を撒く頃。稲の穂先にある針のような突起を芒(のぎ)といいます。梅の実が色づきはじめ、しとしと降る梅雨(つゆ)が田畑をうるおす雨の季節がやってきます。
#青梅生成
  • 夏至 6月21日ごろ 
一年で最も昼間が長く、夜が短い日のこと。夏至を境に日の当たる時間が短くなる一方で、日ごとに暑さが増して夏の盛りに向かっていきます。6月に釣りが解禁となる鮎は、夏が旬。季節を楽しませてくれるご馳走です。 #鮎
  • 小暑 7月7日ごろ 
梅雨が明けて本格的な夏が訪れます。小暑から立秋を迎えるまでが、暑中見舞いをおくる時期です。お世話になっている方や親しい友人へ、暑さを労う便りを届けましょう。#蓮池に金魚
  • 大暑 7月22日ごろ 
もっとも暑い真夏の頃のこと。各地で祭りや花火大会など、夏の行事が盛んに行われます。暑い盛りに夏バテしないよう、土用の丑の日にはウナギをはじめとして、力の付くものを食べる習慣が広まりました。 近年は夏が長くなっていますが、大暑を過ぎると暦の上では秋がやってきます。
#宵花火ぼかし
いまでも旧暦に基づいた行事や習わしなどが受け継がれています。自然によりそい、美しい日本の四季を楽しみましょう。二十四節気 秋・冬編は、8月頃にご紹介いたします。
次回、更新予定は2024年3月5日(火)です。