かまわぬ手帖 vol.43 |てぬぐいの一生

かまわぬ手帖 vol.43 |てぬぐいの一生

かまわぬ手帖vol.42|Kamawanu Essentials 読む かまわぬ手帖 vol.43 |てぬぐいの一生 1 分

自分で選んだり、誰かにいただいたりして、気づけば我が家にやってきた一枚のてぬぐい。さて、どんなふうに使おうか。

デザインや手触りを楽しみながら愛着を持って使ったてぬぐいも、徐々にくたびれていきます。今回は、てぬぐいの一生をたどっていきたいと思います。

第一章

張りのある生地に鮮やかな色柄。まだデビューしたばかりの新しい手ぬぐいです。バッグに忍ばせたり、スカーフ代わりに巻いてみたり。額に入れて飾るのも、新品ならではの楽しみ方です。暮らしに「てぬぐい」という彩りが加わると、ちょっとした日常がいつもより楽しく感じられます。

主な使い方

  • 持ち歩く

  • ファッションアクセサリーとして身につける

  • 飾る

  • 手を拭く

第二章

生地もこなれて柔らかくなり、使い心地がぐっとよくなる頃。色が少し薄くなったり、日焼けして色あせてしまったり、お洗濯で少し失敗してしまったりしても、それもまた日々の暮らしの証です。

主な使い方

  • 目隠しカバー:棚や引き出しの中を隠し、暮らしの裏方として活躍

  • ホコリよけ:デスクトップパソコンやテレビなどほこりを防ぎたい場所に

  • ふきん:柔らかくなった生地は手に馴染み、日々の食器拭きにぴったり

    色が少し薄くなって、お出かけ用から徐々に自宅使いが多くなっていきます。布の質感はふっくらと柔らかくなり吸水性もアップしていくので、ふきんとして食器拭きにもおススメです。

    第三章

    かなり年季が入ってきました。長く使った分、汚れやキズも気になります。色落ちもして絵柄は薄くなりますが、そのかわりに生地はふわふわと柔らかく馴染んでいきます。

    主な使い方

    • 温泉や銭湯に:ふわふわで肌触りもスムーズ

    • 靴磨き布や道具の手入れに:汚れもからめとってくれます

    色落ちもほとんどなく、温泉や銭湯に持っていくのにぴったり。暮らしの裏方として静かに力を発揮する時期です。

    最終章 

    使い込まれて少し薄くなったてぬぐい。頼りなく見えるけれど、それでも最後の最後まで、暮らしに寄り添ってくれます。けれど、てぬぐいの物語はここで終わりではありません。

    主な使い方

    • 雑巾…日々のちょっとしたお掃除に

    • 小さく切ってウエスに…道具や家具のお手入れに

    • はたき…高いところのほこり取りに

    裂けば、暮らしの一部として最後まで役立ってくれるのも、手ぬぐいならではです。ここまで共にしてきた”相棒”を裂くのは気が引けるという方には、ビンテージてぬぐいとして使うのもおすすめ。とことん色を落としてもよし、ふわふわに育ててもよし。暮らしの中で少しずつ変化を楽しみながら、あなただけのてぬぐいの物語を紡いでいけます。


    長く大切に使うことで、暮らしに欠かせない存在へと変わっていく。
    限られた資源の中で長く愛着を持って使う――。今の時代に必要なことなのかもしれません。

    次回は11月5日(水)の更新予定です。どうぞお楽しみに。

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