普段の生活に欠かせない暦。日常で使われているカレンダーは太陽の動きを元にした「太陽暦」に基づいて作られました。1872年より使われるようになり「新暦」と呼ばれています。 太陽暦以前は「旧暦」と呼ばれる「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」が用いられてきました。陰とは月のことで、月と太陽の動きを両方取り入れた高度な暦です。日本には7世紀の飛鳥時代に中国から伝わり、季節の移り変わりを知るものとして取り入れられてきました。 今回は、二十四節気の秋と冬をご案内してまいります。
日本のこよみ 秋
立秋(りっしゅう) 8月7日ごろ
立秋とは初めて秋の気配が感じられる頃。季節の挨拶が「残暑見舞い」へと変わります。まだまだ暑い盛りですが、暦の上では秋が始まり、虫の声や草木の様子が徐々に移り変わっていきます。日本各地で盆踊りや夏まつり、送り火など行われ夏の終わりを感じさせます。
てぬぐい|秋草桔梗
処暑(しょしょ) 8月22日ごろ
暑さが少しやわらぐ頃。処暑とは暑さが止むという意味で、夏の盛りを過ぎ、朝夕に涼しい風が吹き始めます。この頃には、てぬぐいには馴染み深い「綿の花」が開き、綿毛を紡ぐ時期が訪れます。果物など秋の実りが出回りはじめ、夏の疲れた身体を癒してくれます。
大地が冷えてきて露を結ぶ頃のこと。残暑も落ち着き、ようやく秋が訪れます。草に白露(しらつゆ)が宿り始め、朝夕の涼しさが際立ってきます。秋の深まりと共に現れる秋の七草を眺めて楽しみましょう。
春分と同じく、太陽が真東から昇り真西に沈む日です。昼と夜の長さが等しくなります。この日を境に日が短くなり秋が深まっていきます。お月見の日には、月を愛でながら五穀豊穣と豊作に感謝をしましょう。
露が冷たく感じられる頃。秋が深まり日暮れも早く感じられるようになってきます。実りの秋もクライマックスを迎え、山の幸や海の幸など豊富な時期。美味しいものをたくさん食べて冬に向けて栄養をつけていきましょう。
朝夕に冷え込み霜が降りる頃のこと。寒さを感じることも増えこの頃に吹く冷たい風を木枯らしといいます。木々が色づきはじめ、山は紅葉の季節を迎えます。秋が終わりを告げいよいよ冬が近づいてきます。
日本のこよみ
初めて冬の気配が現れてくる日です。暦の上ではこの日から立春までが冬になります。寒くなる日が増え鍋ものなど暖かい料理が恋しくなる頃です。外に出かけるのが辛くなってくる頃ですが、そんな日はコタツでみかんでも食べながら暖かく過ごしましょう。
寒さが進み、そろそろ雪が降り始める頃のこと。まだ寒さは厳しくなく暖かな日差しがある日は、小春日和と呼ばれます。時期が進むと雨が雪に変わり本格的な冬が近づきます。
雪がいよいよ本格的に降り積もる頃のこと。木が雪の重みで折れないようにする雪吊りなど、風情のある景色が見られます。寒くなると美味しくなる大根や脂ののった魚などが出回り、家で過ごす楽しみが増えてきます。
一年で最も昼間が短く、夜が長い日のこと。冬至を境に日が伸びていくので、古くから多くの国で太陽の再生として祝われてきました。冬至の日には柚子湯に入り、かぼちゃ(南瓜 なんきん)、だいこん、れんこんなど「ん」のつくものを食べると風邪をひきにくくなると言われています。
寒さが極まる少し手前の頃のこと。寒の入りを迎え、立春まで寒の内に入ります。1月7日には春の七草の入った七草がゆをいただきます。自然から新しい生命力を得て、無病息災と長寿を願うという風習です。
1年でもっとも寒さが厳しい頃のこと。寒さがつのる時期ですが、椿は鮮やかな花を咲かせ、自然の息吹を感じます。春隣(はるとなり)という言葉もあり、次第に日が長くなり春に向かっていきます。
次回、更新予定は9月5日(木)です。