「てぬぐい」を愛する人たちのリアルな声。てぬぐいとの出会いから使い方まで、その魅力をお届けします。今回は、モデル兼デザイナーとして、多彩に活躍されている、雅姫さんにインタビュー。

――てぬぐいとの出会いを教えてください。
私が生まれ育った秋田には、“おちゃっこ”と呼ばれる茶飲み文化があり、漬物とかお菓子を持ち寄ってお茶を飲みながら、わいわい話す憩い時間があるんです。おちゃっこの時は、てぬぐいがおしぼりとして活躍。夏になったら、てぬぐいを濡らしてきゅきゅっと絞って使っていました。それから、秋田には“曲げわっぱ”があるので、てぬぐいで包んだり、蒸し器で野菜とかを蒸すときに使っていたり……日常のいたるところに自然にありました。

――かまわぬとはどこで出会いましたか?
最初に訪れたのは、かまわぬ原宿店だと思います。原宿のお買い物の途中でお店を見つけました。地下にひっそりある感じで。当時のてぬぐいの印象は、“こんなに色や柄が豊富なてぬぐいがあるとは!” と思ったのが率直な感想です。てぬぐいというと浴衣のイメージが強かったけど、お店の中を見渡すと季節の食べ物の柄やお花の柄など幅広くあって見ているだけで心が踊りました。
――てぬぐいをどのように使っていますか?
テーブルを拭いたり、手を拭いたり、拭くことが多いです。あとは、自分の持っているお皿たちを撮影する機会が多いので持ち運ぶときに包んだり、夏だったら、ざるの上に濡らしたてぬぐいを敷いてラップ代わりに使ったりもしていますね。使い古したてぬぐいは、小さめにカットしてお皿とお皿の間に挟んだりして傷がつかないようにして使っているので最後まで長く使える道具だなと感じます。それから、お弁当の時に欠かせないのがてぬぐいカトラリーケースは、いくつ作ったか分からないほど、柄がたくさんあるので、季節に合わせて使っています。


――雅姫さんにとって、てぬぐいが持つ魅力とは?
色と柄が無限大!デザイナーとして、さまざまな素材の生地を扱っていますが、“布”という枠の中で考えると、てぬぐいで表現できることって本当に限りがないように思います。素材はシンプルなのに、色彩は豊かで、モチーフも古典柄からモダンな柄、季節の植物や、食べ物まで幅広い。お洋服だと挑戦しづらいようなユニークな柄ものも、てぬぐいなら気軽に持ち歩けるところが魅力。それから、やっぱり“注染”のアナログ感ですね。CLOTH&CROSSでオリジナルてぬぐいを作ってきたけど仕上がるまでどんな色合いになるか、デザイン通りに染まるか分からない。その不確実性が面白いと思います。印刷とはまた違う味わいがありますよね。伝統技法である注染が、これからも受け継がれてほしいと思います。
――てぬぐいにまつわる想い出やエピソードを教えてください。
我が家の愛犬のもぐら、ピカソ、ヴォルスの3頭が、てぬぐいのモチーフになったことが親バカのように嬉しかったです。てぬぐいのデザインを作るうちに、いつの間にか物語が生まれていく。その過程がとても面白いんです。これまでヴォルス(ラブラドール・レトリバー)は、ピザ職人やメイド、スキューバダイバーなど、てぬぐいの中でいろんな姿に変身してきました(笑)。アパレルデザインではできないことを、てぬぐいだからこそ実現できているような感じがします。最近、新しくトイプードルの”こぐま”が家族に加わったので、みんなが揃ったデザインのてぬぐいも作りたいと思っています。

――雅姫さんにとって、てぬぐいはどのような存在ですか?
自分の好きなデザインや色がてぬぐいにあることで、目にするたびに元気をもらえる。持ち歩くだけでどこか安心する“お守り”のような存在です。
Shop
ブランド公式WEB:https://hugowar.jp/
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CLOTH & CROSS OPEN 11:00 / CLOSE 19:00
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2-14-11
TEL:03-6421-3086
2025年8月25日まで”CLOTH & CROSS”にて「かまわぬのてぬぐい展」を開催中。
Profile

雅姫(まさき) モデル/デザイナー
モデルとして幅広く活躍する傍ら、自由が丘に構えるショップ「CLOTH & CROSS(クロス&クロス)」と「HUG Ô WäR(ハグオーワー)」2つのブランドのプロデューサー兼デザイナーとして多方面で活躍。インスタグラムでは4頭の愛犬と雅姫さんの飾らない自然体なライフスタイルが多くのフォロワーを魅了しています。
ブランドの最新情報はこちら☞ @hugowar_vintagechic
雅姫さんと愉快な仲間たち ☞ @mogurapicassowols
Photo: Hiromi Kurokawa